自然と文明の境目で へびいちごの蛙の作文、その3
2017年05月08日(月)
昨日の続きです。
何かが現れるようです。
するとそのとき、むこうから、
ごろりん、ごろりん♪
ごろりん、ごろりん♪
かえるより、すこしおおきないきものが、ころがるようにあらわれて、
「なにかこまっているのかな?」かえるにこえをかけました。
「みんながあかい実をたべて、そのままねむっておきないの」
「そのうちからだがすけてきて、たすけにいきたいのだけれど、くろいのがいてちかよれないの」
そのはなしをきいていた、すこしおおきないきものは
「泉のそこにしずんでる、あかい実のたねをひとつ、ひろってきてくれないかな?」といいました。
ちいさなかえるは
「それならおやすいごようだけれど、それでみんなはたすかるの?」とたずねます。
「うん。とってきてくれたらたすけてあげる」
すこしおおきないきものの、ちいさな目がきらりんとひかります。
ちいさなかえるはとびこんで、あかい実のたねをさがします。たくさんしずんだはっぱのなかに、ひとつのたねがありました。
いそいであがってわたしてみると、
「おお、これはすばらしい」
というとたねをぱくりん
すこしおおきないきものの、からだがだんだんすけてきて、
からだのなかにみどりの はっぱ、きいろいお花、あかい実が。
おどろいているちいさなかえるに、
「このこをあげる」
すこしおおきないきものが、かさこそとうごくちいさな虫をわたします。
「このこはたべちゃいけないよ、そしたらきみはたべられないよ」
というやいなや、
ごろりん、ごろりん♪
くらい森のおくにころがっていきました。
ちいさなかえるはしょっくでうごけません。
ちいさな虫だけがかさこそとはいまわっています。
2017/05/08 19:17 Update