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自然と文明の境目で へびいちごの蛙の作文、その5
2017年05月10日(水)
今日でおしまいです。
いや〜、なかなか楽しいおはなしでした。
なにもできずにみていると、ながいいきもののからだのうえに、あかい実のつぶつぶが、こべやにしきられたように、きれいにならんでうかんできます。
そのすがたは、あかい実そのものになっています。
だんだんとあかいつぶつぶがおおきくなってきたときに、かさこそとうごいていた虫さん、ぴよよんとながいからだのうえにとびのって、いちばんはしっこをがぶり。
ながいからだはぐるぐると、ねじれながらほどけていきます。
ほそながいひものなかに、おおきなあかいつぶつぶが、ならんでとじこめられています。
おおきなながいいきものも、ごひきのかえるたちもいなくなり、泉のなかにはちいさなかえる、ほそながいとうめいなひものなかのつぶつぶ。
「たしかにたべられなかったけれど、みんなはたすけられなかったよ」
ちいさなかえるは泉からでると、くらい森のほうに
「あかい実をたべちゃいけないよ」とうたいながらはいっていきました。
うしろをかさこそと虫さんがついていきます。
ひるとよるがなんかいもいれかわっていき、ひものなかのつぶつぶには、かわいいしっぽがはえています。
やがてくるくるとまわりだし、ひものなかからどんどんと、へやのかべをつつきます。
そこからぽよんととびだして、泉のなかをおよぎます。
あかいちいさなおたまたち、森のおくからきこえてくる、ふしぎなうたをききながら、泉のなかにおちてくる、きらきらとした羽の虫さんを、ぱくり、ごっくん。
「いちごへび」
おわり
あの5匹の蛙たちを見てから、こんな妄想がぐるぐるぐると、渦巻いています。
もしうちに来てくれるなら、透明みどりの子が来てくれると、とても嬉しいです。
自然と文明の境目で へびいちごの蛙の作文、その4
2017年05月09日(火)
昨日の続きです。
それからだんだん、ごひきのかえるのなかで、みどりのはっぱ、きいろいお花、あかい実がそだっていきます。
そして、とてもあかるいよるがきて、
しゅるしゅるしゅる
森のおくからあのおとが。
くろくてながいいきものが、とうとうきてしまったと、
ちいさなかえるは泉のなかからみていると、
森からでてきたそのすがたは、まっくろではありません、
しゅるしゅるとはっぱのなかをすすんでいると、からだのうえにちいさなみどりのはっぱがたくさん、あかい実のまえをとおりすぎると、からだのうえにあかい実がたくさん、
ながいながいからだのうえに、むこうがわにあるものが、ちいさくなってたくさんみえています。
まっくろにみえていたそのからだは、もりのおくがすけていたのです。
そのいきものはねむりつづけるかえるたちのまえにくると、すうっとからだをもちあげて、つぎのしゅんかん、
ぱくり、ごっくん
ぱくり、ごっくん
つぎつぎにのみこんでいきます。
ながいからだのなかをころころところがっていくかえるたちのようすが、ちいさくなってたくさんみえています。
ぱくり、ごっくん
ごひきめのかえるをのみこむと、ながいからだのいきものはこちらにむかってやってきます。
しゅるしゅると泉のなかにはいってくると、くるくるとからだをまるめてねむってしまいました。
・・・つづく
自然と文明の境目で へびいちごの蛙の作文、その3
2017年05月08日(月)
昨日の続きです。
何かが現れるようです。
するとそのとき、むこうから、
ごろりん、ごろりん♪
ごろりん、ごろりん♪
かえるより、すこしおおきないきものが、ころがるようにあらわれて、
「なにかこまっているのかな?」かえるにこえをかけました。
「みんながあかい実をたべて、そのままねむっておきないの」
「そのうちからだがすけてきて、たすけにいきたいのだけれど、くろいのがいてちかよれないの」
そのはなしをきいていた、すこしおおきないきものは
「泉のそこにしずんでる、あかい実のたねをひとつ、ひろってきてくれないかな?」といいました。
ちいさなかえるは
「それならおやすいごようだけれど、それでみんなはたすかるの?」とたずねます。
「うん。とってきてくれたらたすけてあげる」
すこしおおきないきものの、ちいさな目がきらりんとひかります。
ちいさなかえるはとびこんで、あかい実のたねをさがします。たくさんしずんだはっぱのなかに、ひとつのたねがありました。
いそいであがってわたしてみると、
「おお、これはすばらしい」
というとたねをぱくりん
すこしおおきないきものの、からだがだんだんすけてきて、
からだのなかにみどりの はっぱ、きいろいお花、あかい実が。
おどろいているちいさなかえるに、
「このこをあげる」
すこしおおきないきものが、かさこそとうごくちいさな虫をわたします。
「このこはたべちゃいけないよ、そしたらきみはたべられないよ」
というやいなや、
ごろりん、ごろりん♪
くらい森のおくにころがっていきました。
ちいさなかえるはしょっくでうごけません。
ちいさな虫だけがかさこそとはいまわっています。
自然と文明の境目で へびいちごの蛙の作文、その2
2017年05月07日(日)
昨日の続きです。
ちいさなかえるはどうなるのでしょう・・・
しばらくたった夜のこと、
その日はほんとにまっくらで、うっすらと見えるあかい実が、なんだかぼうっとひかっています。
するとそこにちかよっていく、たのしそうないつつのかげ。
「そろそろたべていいころだ♪」
「みんなであかい実たべようよ♪」
かえるたちが歌いながら、あかい実のほうにちかよって、
ぱくり、ごっくん
あかい実をたべてしまいます。
いちばんちいさなかえるだけ、泉からあがることができません。あのあかい実のむこうには、くろくてながいいきものが、いるのをみてしまったから。
つぎの日あかるくなってから、あかい実のまわりをみてみると、そこにごひきのかえるたち、ぐうぐうねむっておきません。
そのうちごひきのかえるたち、緑のせなかがすけてきて、あかい実がぼんやりうかんでいます。
おどろいたちいさなかえるさん、みんなをおこしにいきたいけれど、森のおくが気になって、ちかよることができません。