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ここは、化硝研究所、 ギャプス紀の地層から出土した未確認化石、UF(アナイデンティファインドフォッシル)の復元に取り組んでいます
海が穏やかで満月が夜空に浮かぶとき、それは起こります
ルナ・トウルレムが、一斉に岩を離れ一か所に集まり大きな群れをつくり遊泳するのです その様は、なかなかに神秘的で壮観だったろうと思われます
固着生活をするルナ・トウルレムは、尾部とおぼしき3枚の羽根のような部分で、プランクトンを捕食します 三枚の羽は自由に動かせたので、プランクトンを捕る他、遊泳にも役立ったようです
ルナ・トウルレムは、不明点が多い生き物ですが、刺胞動物、六放サンゴ類の生態から推察してみました 海中での産卵からプラヌラ幼生時は遊泳していたものと思われます 海底の岩などに着床すると、そのまま成長し、ポリプから、発芽を経て、やがて群体を形成しはじめます そうして、産卵時期になると、離床、遊泳しながら産卵するのです
産卵後は、海底の岩などに、かじりつくように着床し、再び固着生活をおくります
化石は、ルナ・トウルレムの生痕化石と考えられます
ルナ・トウルレムは、刺胞動物門、六放サンゴ亜網、ツキノトウ類ですが、固着生活期の噛みつき痕が化石(生痕化石)となったのでしょう
化石の輪郭が卵型になっています これは、固着生活をするさいの潮の流れによるものです 流れがあることで、同一方向からの力が常にかかっている状況になります このため、噛みつき痕の中心が下流方向にずれるのです。
最後に、礒野元博士の復元をご紹介いたしましょうアンモ
圧倒的なフィールドワークから得た想像力をあなどってはいけません UF005に類似した模様を見たことがあります
それは、刺胞動物の生痕化石です
刺胞動物の中でも、六放サンゴ亜網の属するツキノトウだと思います