これは、ココニだまのお話です
ウトウトうたた寝夢心地の頭の中で、「ココニイルヨ」がでてきました。
うたた寝する前に「ココニイルヨ」って何だう?
なんて考えていたものですから、そのまま夢の中まで引きずっていったのでしょう。
自然の森に近い林の中で、落ち葉が積もっています。
茶色い落ち葉に、小さなキノコや粘菌が付いていて、そこにトビムシやカイガラムシやヤスデが出てきて...カサコソと。
自分は、その光景を空気のような存在となって眺めている。
しばらくの間眺めていると、ユラ~と空気が揺れはじめて、
眺めていた空間が、無重力を漂う水のカタマリのようにフワフワ、プニュプニュとかたまりになっていく。
形が定まらないままのカタマリを、ムカデやゾウムシが興味深げにつつきに出てくる。
そんな、妄想の中の透明のカタマリが「ココニダマ」でした。
さて、森でココニダマに出会ったらどうしましょう。
お話ししたいことが沢山あるのですが、まずは感じることが大切です。
しばらく、人間が作り出した言葉なるものは忘れることにいたしましょう....
.....
ここにいるよ...
5匹のココニダマには、それぞれに特徴があるのです。
まずは、お名前の紹介から...
左から順番に、
「ユラリ」76g
「キョロリ」61g
「フワリ」52g
「モヤヤ」48g
「チョコン」29g
ここにいるよ...
カメラの覗き穴ごしに、ココニダマを眺める。
さて、どこに焦点を合わせようか?
目ダマ?
粘菌?
きのこ?
モゾゾ?
カサコソ?
悩みながら、シャッターを切っていきます。。
同じ情景で、焦点の場所を変えてみる。
また違った景色が見えてくる。
撮影が楽しくて...
時間がどんどん過ぎていき、撮影枚数がどんどん増えていく。
ここにいるよ...
難しい事は考えないで、ぼ~と眺めていると。
自然界に溶け込んで...みんな意識がつながっていくような不思議な感覚がめばえてくるのです。
森の中で出会えたら、連れて帰りたくなる、
でも、連れて帰ったら消えてしまいそうで。
そのままで、そっと覗くだけ...
また、あしたココニ来よう。
キノコってね、土の下では、みんな菌糸で繋がっているのです。
お隣はもちろんのこと、たとえあっちでも、たとえこっちでも、
みんな繋がっているのです。
ココニイルヨってわかるように。
ここにいるよ...
清流にあらわれて、ゆらゆら揺れて。
そのうちに、水に溶けてしまいそうです。
ココニダマの溶け込んだ水は下流の池に流れてゆきます。
池の底には、たっくさんのココニダマ?
それとも、大きなココニダマ?
清流にあらわれて、ゆらゆら揺れて。
メダカさんこんにちは、
ヤゴさんこんにちは、
オタマジャクシさんこんにちは、
イモリさんこんにちは、
ゲンゴロウさんこんにちは、
ヘビトンボさんこんにちは、
ゆらゆら揺れて。
きのこの上で、ゆ~らゆら、
陽だまりの中で、ゆ~らゆら。
森の中で、耳を澄まして、目を凝らして、少しずつ気持ちを自然に同化させていく。
自我をすて、自然に対し敵対心の無いことを発していくと、
つい先ほどまで見えていなかった物が、いきなり見え出す瞬間があるのです。
自然とのつながりが、何だか心地よくって。
ここにいるよ...
しっているよ...
わかっているさ...
みんな、自然の中で繋がっているのだから
もーいーかい、
まーだだよー、
みんな、ちゃんと隠れたかな、
ここにいるよ...
ぼくも、ここにいるよ...
ここにいるよ...
とんぼだま 礒野昭子
記事 Glasstown町長